当事務所は、国内案件はもちろん、国際的な要素を含む多種多様な案件を取り扱っております。

 所属弁護士は全員、日本語・英語による職務遂行が可能であり、スタッフは、日本語、英語及びベトナム語によるコミュニケーションが可能です。

国際的要素を含む相続・遺言

  • 相続手続
  • 遺言書の作成
  • 遺言執行
  • 遺言関係紛争
  • 遺産分割
  • 遺留分侵害額請求
  • 相続人・相続財産の調査
  • 相続財産管理人選任申立(相続人が不存在の場合))

国際的要素を含む家族関係紛争・子の紛争

  • 離婚・国際離婚(財産分与、婚姻費用、離婚慰謝料含む)
  • 子どもに関する問題(親権・監護権・養育費・面会交流・認知)
  • 養子縁組・離縁養子縁組手続
  • ハーグ条約事件(子の引渡し・面会交流)

外国人労働問題・労務管理

  • 外国人採用・雇用
  • 労働契約書・就業規則・社内規定
  • ビザ等申請
  • 企業顧問
  • 解雇
  • 残業代・賃金問題
  • 労働環境・労働安全衛生

会社

  • 会社設立
  • 日本支店設置
  • 各種許認可の取得・申請、必要書類の作成
  • ビザ取得申請
  • 企業法務
  • 特許や著作権などの知的財産保護など

ベトナム案件

当事務所は、ベトナム人スタッフを擁し、ベトナム国籍を有する又はベトナムに関係する方々(個人・会社)から、分野を問わず日常的に多くのご相談を承っております。

入国管理案件

  • ビザ・在留資格申請
    • 外国人の在留資格の申請、変更、延長の手続
    • 外国に住む家族の呼び寄せ手続等
  • 在留特別許可申請(オーバーステイなど在留資格のない方)
  • 難民申請・異議申立手続等
  • 行政訴訟(退去強制令書取消訴訟、難民不認定取消訴訟等)

帰化・国籍案件

  • 帰化
  • 国籍取得

刑事事件

  • 出入国管理及び難民認定法違反の罪(オーバーステイ/不法就労/不法就労助長等)
  • 薬物事犯(覚せい剤等の違法薬物の使用及び密輸入等)
  • その他刑法犯(窃盗罪、暴行罪等)

その他

  • 賃貸借関係
  • 損害賠償請求(交通事故、製造物責任等)
  • 破産・任意整理案件

Q&A  / 事例集

国際的要素を含む相続・遺言

遺言書の作成・遺言執行補助

解決事例1 (国内相続)

(ご相談内容)

 私は独身で子もおらず、隣人同士で楽しく暮らしています。私が亡くなった場合、隣人にペットの犬を引き取って育てて欲しいと思っているのですが、どうすればよいでしょうか。

 (解決内容)

 ご相談者様に遺言書を作成頂き、その中で、隣人の方にペットを託したい旨と、そのための費用に相当する財産をお渡しする旨を記載しました。また、隣人の方の負担を減らすため、実際に預金解約などを行う遺言執行者として弁護士を指定することとしました。

解決事例2 (渉外相続)

(ご相談内容)

 私には長男と長女の2人の子がいて、二人とも海外にいます。夫は既に亡くなりました。

 二人とも仲が良く、遺産の分け方で争う心配はしていませんが、二人とも日本にいないので、相続手続を実際に行えるのかが心配です。また、私自身も海外に財産があるのですが、どうすればよいでしょうか。

 (解決内容)

 ご相談者様に遺言書を作成頂き、その中で、自分の死後には日本国内財産を全て換価すること、それを行う遺言執行者として弁護士を指定することとしました。また、海外財産については現地の弁護士と連絡を取り、現地で別途、日本の遺言書と整合性のある遺言書を作成してもらうこととしました。

遺産分割・遺留分侵害額請求

解決事例1 (国内相続)

(ご相談内容) 

 私の夫が亡くなり、相続人が私と夫の兄弟姉の4人です。夫の兄・姉とは親戚付き合いがありますが、夫の弟とは話したこともなく、親族とも絶縁状態と聞いています。自宅が夫名義なのですが、どのようにして私名義にすることができるでしょうか。

(解決内容)

 弟様の住所を住民票から調査し、ご相談者様の代理人としてお手紙をお送りしたところ、同居のご家族の方より連絡があり、施設に入院中とのことでした。そこでその施設に面会予約をとり直接お会いしたところ、事情をご理解頂くことができました。各相続人の方々も相続手続に協力頂けるとのことでしたので、いくばくかの謝礼金をお支払いして相続分をお譲り頂き、自宅を単独相続することができました。

解決事例2 (国内相続)

 (ご相談内容)

 私の父が亡くなり、相続人が母と私と兄の3人です。兄が、父の遺したという遺言書を持っていましたが、そこには兄に全ての財産を譲ると書いてあります。私は何も受け取れないのでしょうか。

 (解決内容)

 遺言書が自筆で作成されていたため、まずは遺言書の有効性を確認したところ、自筆ではあるものの押印がなく、遺言書としては効力を持たないことが判明しました。ただ、作成経緯や時期に鑑みて別途死因贈与としての効力がある可能性もありました。そのことを前提に、父の意思はなるべく尊重したいというご相談者様のご意向も踏まえて、法定相続分からやや譲歩した内容で遺産分割協議が成立しました。

解決事例3 (渉外相続)

(ご相談内容)

 私の妹はアメリカの方と結婚してアメリカ在住でしたが、先日、亡くなったとの知らせがありました。妹に子はなく、また遺言書もないとのことですが、どのように相続手続を進めればよいのでしょうか。

(解決内容)

 アメリカでは相続手続に裁判所の関与が必要であり、この件でも妹の夫が裁判所から遺産管理人として指定されました。そこで、ご相談者様の代理人として夫と連絡をとりつつ、アメリカ側・日本側の財産承継に必要な書類を用意し、最終的に法定相続分に応じた金銭の送金を受ける形で相続手続を完了しました。

解決事例4 (渉外相続)

(ご相談内容)

 私の姉はアメリカの方と結婚してアメリカ在住でした。先日、突然アメリカの弁護士から100頁超の膨大な書類が送られてきました。送付書を見ると、その姉が亡くなったとのことであり、同封されている膨大な書類はトラストと呼ばれる書類のようですが、内容が分かりません。

(解決内容)

 アメリカではトラストという相続対策があり、遺言とおなじように死後の財産分配を定めることができます。幾重にも場合分けされているため慎重な読み解きが必要ですが、ご相談者様が財産受取人として指定されていることが確認できましたので、トラストの受託者と呼ばれる方やアメリカ側弁護士と連絡をとりつつ、財産受領手続を完了しました。また、厳密には相続そのものではないのですが相続税の対象となることから、税理士と協力しつつ相続税申告手続を完了させました。

相続人・相続財産の調査

解決事例1 (国内相続)

(ご相談内容)

 私の夫が亡くなり、夫の相続人は私と夫の兄弟姉妹になると聞いています。ただ、自宅が夫の祖父の名義であり、私が自宅を相続するためには、夫の祖父の遺産分割もしなければならないと聞きました。夫の祖父の相続人が誰になるのか、どこに住んでいるのか、全く分かりません。

(解決内容)

 戸籍から親族関係を丹念に調査したところ、20名超の人数になりましたが相続人を特定することができ、住民票から現住所地も判明させることができました。

解決事例2 (渉外相続)

(ご相談内容)

 私のおばはアメリカの方と結婚してアメリカ在住でした。先日、突然アメリカの弁護士から手紙が届き、そのおばが亡くなったことを知らせてきました。私がそのおばの姪であり相続資格があるかどうかを知りたいようなのですが、どうすればよいでしょうか。

(解決事例)

 戸籍を集めてそれらを翻訳すると共に、アメリカの弁護士と連絡をとりつつ、自分が姪であることについて在日アメリカ領事館で宣誓書を作成することで、親族関係を証明することができました。

国際的要素を含む家族関係紛争・子の紛争

日本人夫婦が離婚をする場合(双方又は一方が海外に居住する場合を含む。)

私と配偶者(以下「相手方」)は、日本国籍の者です。私と相手方は現在、A国に居住しています。当分帰国する予定はありませんが、離婚を考えています。

※なお、離婚に伴う親権や財産分与等の諸問題については、<日本国籍の配偶者をもつ外国籍の方が日本で離婚する場合>のQ&Aをご参照ください。

1. 国際裁判管轄と準拠法:

私のケースでは、日本の法律に従って離婚ができると考えてよいでしょうか。また、日本で離婚手続きを進めることは可能ですか。

夫婦がいずれも日本国籍の場合、居住地にかかわらず、その夫婦の離婚には日本法が適用されます(法の適用に関する通則法27条、25条)。
したがって、夫婦間で離婚の合意ができれば、協議離婚が可能です(民法760条)。夫婦がともに海外居住の場合は、在外公館(大使館、領事館)に離婚届を提出することにより離婚を成立させることができます。
他方、協議離婚が困難な場合は、日本の家庭裁判所に調停の申立てをすることができますし(家事事件手続法3条の13第1項1号)、離婚の訴えを提起することもできます(人事訴訟3条の2第5号)。ただし、手続きを実質的かつスムーズに進めるためには、双方ともに日本における代理人弁護士を選任することが望ましいといえます(それが困難な場合は、場合によっては、A国現地における離婚手続きを検討すべき場合もあります。)。

<離婚の種類>
日本法では、離婚の方法として、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚の4つがあります。

協議離婚夫婦の話し合いにより、裁判所の関与なしに離婚をする場合であり、最も簡便な方法です。ただし、協議離婚は、国によっては有効な離婚とはみなされない場合があるため、留意が必要です。
調停離婚

審判離婚
夫婦で話し合いをする点では協議離婚と同じですが、手続きが異なります。
調停離婚は、当事者の一方が家庭裁判所に調停の申立てを行い、中立の第三者(調停委員)に間に入ってもらって話し合いをし、調停手続きのなかで離婚の合意をする場合です。
審判離婚は、わずかな意見の違いなどで合意が成立しないものの、裁判所がさまざまな事情を考慮し、夫婦双方の公平に考慮して、離婚の決定をする場合です。
裁判離婚話し合いによる解決が難しい場合に、夫婦の一方が家庭裁判所に離婚の訴えを提起し、離婚の請求に理由があるときに、裁判所による判断(判決)によって離婚をする場合です。離婚の裁判をするには、まずは離婚調停の申立てをし、話し合いをする必要があります(「調停前置」といいます。)。

2. 離婚事由:

話し合いによる離婚が困難な場合、離婚が認められるためにはどのような理由がなければならないのでしょうか。

民法770条1項1号から5号は、離婚が認められるための事由(離婚原因)として、以下の①から⑤までの場合を規定しています。なお、以下の①〜④に該当する場合でも、裁判所は、離婚の継続が相当と認めるときは、離婚を認めないことができるとされていますが(裁量棄却。同条2項)、実際に裁量棄却が問題となるのは、実務上、④の場合に限られているのが現状です。

  1. 配偶者に不貞な行為があったとき。
  2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
  3. 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

⑤の「婚姻を継続し難い重大な事由」には、長期間の別居、相手方への暴力や虐待、性的交渉の不能、悪意の遺棄に至らない程度の同居協力扶助義務違反、性格上の不和等が含まれます。特に、別居については、5年以上の別居期間があれば、婚姻関係は破綻していると認められる傾向にあります。
離婚を求めている配偶者の側に離婚原因がある場合でも(そのような配偶者を「有責配偶者」といいます。)、婚姻関係が破綻していれば離婚請求は認められ、例外的に、離婚請求が信義誠実の原則(信義則)に反するといえる特段の事情がある場合には、離婚請求は認められないことがあります。
判例上、離婚請求が信義則に反するかどうかの判断要素として、(ア)夫婦の別居が当事者の年齢及び同居期間と対比して相当の長期間に及ぶこと、(イ)その間に未成熟子がいないこと、(ウ)相手方配偶者が離婚によって精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態におかれる等著しく社会正義に反すると言えるような特段の事情が認められないこと、の3つが挙げられています(最高裁大法廷判決昭和62年9月2日民集41巻6号1423頁)。

3. 国境をまたぐ移動:
私は子供と一緒に日本に帰国したいと考えています。留意すべき点を教えてください。

国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(通称ハーグ条約)は、国境を越えた子の連れ去り等について規律しており、日本も同条約の締結国です。

同条約及びその国内実施法では、子(16歳未満)を監護する者が、他の監護権者(通常は父母)の同意を得ずに、当該子が通常居住する国(常居所地国)からその子を連れ出したとき等には、裁判所は、当該監護権者による返還の申立てがされた場合、原則として、当該子を常居所地国に返還するよう命じるものとされています(ただし、返還を拒否できる事由につき、同条約13条、実施法28条参照)。なお、ハーグ条約及びその国内実施法は、父母が日本人同士の場合にも適用されますので、ご注意ください。
本件の場合、A国が常居所地国と認められ、かつA国がハーグ条約の締結国である場合、相手方の同意なく子をA国から日本に連れ出したときは、例外的事由がない限り、日本の家庭裁判所において、子をA国に返還するよう命じられる可能性があるため、留意が必要です。
当事務所は、ハーグ条約事件に関する相談のほか、裁判や仲裁の代理業務等も行な っていますので、お気軽にご相談ください。

日本国籍の配偶者をもつ外国籍の方が日本で離婚する場合

私は、A国籍の者です。私は日本国籍をもつ配偶者(以下「相手方」)がいますが、離婚を考えています。私と相手方は現在、日本に住んでいます。

1. 管轄1-1:
日本の裁判所で離婚手続きを進めることは可能ですか。

可能です。
相手方の住所が日本国内にあれば、調停の申立てをすることができますし、離婚の訴えを提起することもできます。日本法の離婚の種類については、<日本人夫婦の双方又は一方が海外に居住しながら離婚をする場合>、Q1をご参照ください。

2. 管轄1-2:
私はこれ以上相手方とは一緒に住めないので、A国に帰国したいと考えています。私がA国に帰国した場合でも、日本で離婚手続きを進めることはできますか。

手続きを進めることは可能です。
ただし、あなたが日本にいない場合、あなたの代わりに日本で手続きを進めてくれる代理人(弁護士)を選任する必要があります。
また、調停は話し合いの手続きですから、基本的にはあなたも日本にいて話し合いに参加することが望ましい場合が多いといえます。さらに、離婚裁判の場合には、A国に帰国した後でも、本人尋問の手続き(裁判所で当事者から直接話を聴く手続き)などのために日本に戻る必要が生じる場合もありますので、留意してください。

3. 離婚1-1:
私と相手方との離婚手続きにはどの国の法律が適用され、解決されるのでしょうか。

夫婦の一方が日本に住所を有する日本人であるときは、日本法が適用されますから(法の適用に関する通則法27条ただし書)、本件の場合、日本法が適用されます。

4. 離婚1-2:
日本では、どのような場合に離婚することができるのでしょうか。

日本法における離婚事由(離婚原因)については、<日本人夫婦の双方又は一方が海外に居住しながら離婚をする場合>、Q2をご参照ください。

5. 離婚1-3:
私と相手方は、日本だけではなく、A国でも婚姻手続きをしました。そのため、A国でも離婚をしたいと考えています。この場合、日本で離婚手続きをする際に留意することはありますか。

日本法に基づき日本で離婚をすれば、A国でも有効な離婚として認めてもらえる可能性があります。
ただし、そのための要件や手続きについては、慎重な検討が必要です。特に協議離婚を認めていない国は少なくありません。そのため、まずはA国の法令調査が必須です。
仮にA国が協議離婚を認めていない場合は、日本で協議離婚をしてもA国では有効な離婚とは認めてもらえない可能性があります。この場合、調停離婚、審判離婚又は裁判離婚のいずれが最適かを判断・選択する必要があります。

6. 婚姻費用:
私と相手方は、来月別居する予定です。私は今働いていないので、今後の生活が不安です。相手方から生活費をもらいたいのですが、どうすれば良いでしょうか。

あなたが日本に居住していれば、日本法に基づき、相手方に対して婚姻費用(婚姻中の生活費)を請求することができます(扶養義務の準拠法に関する法律2条)。
婚姻費用の請求をしたい場合は、基本的には、家庭裁判所に対し、婚姻費用分担請求の調停を申し立てます。調停において合意ができなければ、夫婦の資力等に基づき、裁判所が適切と考える金額を決定します。
なお、日本の裁判所は、婚姻費用算定の目安として「標準算定方式・算定表(令和元年版)」を策定していますので、ご参照ください。ただし、当該算定表はあくまでも目安に過ぎず、具体的な金額は個別具体の事案に応じて判断する必要があります。
https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html

7. 子供1-1:
私と相手方との間には、7歳の子供がいます。子供の国籍は、日本です。離婚後の子供の親権者はどの国の法律に従って決められますか。面会交流についてはどうですか。

いずれも日本法が適用されます。
親権や面会交流など親子間の法律関係は、子の国籍国の法律(本国法)が父又は母の本国法と同じであれば、子の本国法によるとされています(法の適用に関する通則法32条)。本件の場合、子と父(相手方)の国籍国が日本ですから、子の本国法である日本法が適用されることになります。
親権者(親責任や監護者、養育者など、国によって制度や呼称が異なります。)の判断・決定方法について、国によっては、子が一定の年齢に達するまでは父又は母を親権者・養育者とする旨法律で規定している国もあります(例えば、ベトナム婚姻家族法81条3項は、月齢36か月未満の子の養育者は、原則として母親がなるものとされています。)。しかし、日本法にはそのような規定はありません。親権者や面会交流等は、主として何が最も子の利益となるかという観点から判断・決定されます。
なお、子がある程度の年齢に達すれば、当該子の意思も尊重され、裁判所において子の意見が聴取されることもあります。

8. 子供1-2:
子供と一緒にA国に帰国したいと考えています。留意すべき点を教えてください。

国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(通称ハーグ条約)は、国境を越えた子の連れ去り等について規律しており、日本もハーグ条約の締結国です。
ハーグ条約では、子(16歳未満)を監護する者が、他の監護権者(通常は父母)の同意を得ずに、当該子が通常居住する国(常居所地国)からその子を連れ出したとき等には、裁判所は、当該監護権者による返還の申立てがされた場合、原則として、当該子を常居所地国に返還するよう命じるものとされています(ただし、返還を拒否できる事由につき、同条約13条参照)。
本件の場合、A国もハーグ条約の締結国であれば、A国の裁判所において、子を日本に返還するよう命じられる可能性があるため、留意が必要です。
当事務所は、ハーグ条約事件に関する相談のほか、裁判や仲裁の代理業務等を行っていますので、お気軽にご相談ください。

9. 養育費:
離婚後、相手方から養育費をもらいたいと考えています。どうすれば良いですか。

子供が日本に居住していれば、日本法に基づき、父(相手方)に対して養育費を請

求することができます(扶養義務の準拠法に関する法律2条)。通常、離婚に際し、養育費のことも併せて請求し、話し合いを行います。
なお、Q3の婚姻費用と同様、養育費についても「標準算定方式・算定表(令和元年版)」が策定されていますので、ご参照ください。
https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html

10. 財産分与:
私と相手方は結婚後、日本で不動産を購入し、株式や預貯金等も保有しています。離婚する際、これらの財産の分与はどの国の法律に従い、どのように解決されますか。また、A国にも不動産等がある場合、どうなりますか。

財産分与に適用される法律(準拠法)は、離婚の準拠法によります。そのため、本件の財産分与にも日本法が適用され、日本の法律に従って判断・決定されます(Q3をご参照ください)。
財産分与の対象財産は、原則として、別居時(別居していなければ、離婚時)に存在した財産(積極財産から住宅ローン等の消極財産を控除した財産)です。財産分与は主に、夫婦が婚姻生活中に形成した財産(共有財産)の清算を目的とするものであり、上記の時点では夫婦間の経済的な共同関係が消滅したといえるためです。なお、夫婦が相続等により取得した財産(特有財産)は、原則として財産分与の対象にはなりません。
対象財産の評価は、預貯金等の財産価値に変動がないものは別居時(別居していなければ、離婚時)を、不動産等の財産価値に変動があるものは分与時をそれぞれ基準として行われることが通常です。
日本では、対象財産に対する夫婦の寄与・貢献は原則として同等と見るべきものとされ、特段の事情がない限り、対象財産を夫婦で2分の1ずつ分割することになります。
不動産等がA国にある場合には、A国現地における執行可能性など異なる考慮が必要になる場合があり、必要に応じてA国現地の弁護士とも連携し手続きを進めていくことが必要になることもあります。

11. 慰謝料:
相手方が今回、他の方と不貞関係にあることがわかりました。私は相手方に、離婚につき慰謝料を請求したいと考えています。可能でしょうか。

離婚による慰謝料請求は、財産分与と同様、離婚の準拠法によります。本件の場合、日本法に基づき、相手方に対して慰謝料請求をすることが可能です。

12. 在留資格:
私は現在、相手方の「日本人の配偶者等」の在留資格で日本に在留しています。離婚手続中の在留資格はどうなりますか。また、離婚後、在留資格はどうなりますか。日本国籍をもつ子供がいる場合はどうですか。

「日本人の配偶者等」の在留資格に該当するためには、日本人の配偶者としての活動を行うことが必要であり、正当な理由がある場合を除き、配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6か月以上行わずに在留することは在留資格取消の対象になります(出入国管理及び難民認定法22条の4第1項7号)。ただし、実務上は、婚姻関係の修復の可能性等が考慮され、例えば、離婚調停又は離婚訴訟が裁判所に係属している間は、「日本人の配偶者等」の在留期間更新自体は認められる傾向にあります(ただし、通常在留期間は「6月」となります。)。
離婚後は、「技術・人文知識・国際業務」等の在留資格への変更可能性のほか、婚姻継続期間や日本人実子の監護養育の有無等から「定住者」の要件を満たす可能性がある場合には、「定住者」の在留資格への変更も検討することになります。
いずれにせよ、離婚手続中及び離婚後の在留資格については、個別具体の事案に応じて慎重かつ柔軟に検討することが必要です。
当事務所所属の弁護士は、離婚手続から在留資格変更・期間更新等の手続までノンストップで対応可能であり、また、英語及びベトナム語を使用するスタッフも常駐していますので、お気軽にご相談ください。

外国籍同士の夫婦が日本で離婚する場合

※以下のA国とB国はいずれも日本ではないものとします。

パターン1(同じ国籍の場合)
私は、A国籍の者です。同じA国籍の配偶者(以下「相手方」)とA国法に従い結婚しました。私は、相手方と離婚したいと考えています。私と相手方は現在、日本に住んでいます。

パターン2(異なる国籍の場合)
私は、A国籍の者です。B国籍の配偶者(以下「相手方」)とA国法とΒ国法に従い、結婚しました。私は、相手方と離婚したいと考えています。私と相手方は現在、日本に住んでいます。

1. 管轄1-1:
日本で離婚手続きを始めることは可能でしょうか。

可能です。
相手方の住所が日本国内にあれば、調停の申立てをすることができますし、離婚の訴えを提起することもできます。

2. 管轄1-2:
私は、これ以上相手方とは一緒に住めないので、A国に帰国したいと考えています。私がA国に帰国した場合でも、日本で離婚手続きを進めることはできますか。

手続きを進めることは可能です。ただし、留意点については、<日本国籍の配偶者をもつ外国籍の方が日本で離婚する場合>、Q2をご参照ください。

3. 管轄1-3:
相手方は来月、A国(又はB国)に帰国する予定です。相手方がA国(又はB国)に帰国した後に離婚手続きを進めることはできますか。

あなたと相手方の最後の共通の住所は日本国内にありますから、この場合、日本で離婚手続きを始めることができます(人事訴訟法3条の2第6号、家事事件手続法3条の13第1項1号)。
ただし、実際に手続きをスムーズに進めていくためには、相手方に日本における代理人(弁護士)が必要になることに留意してください。場合によっては、A国(又はB国)で離婚手続きを進めた方が、時間や費用の点から好ましい場合もあります。
当事務所では、ご依頼者又は相手方が外国にいる場合の案件も取り扱っております。個々の事案に応じて最適な解決方法を検討し、何をどう進めていくべきかアドバイス差し上げますので、ご安心ください。

Column

次のような場合は、日本で離婚手続きを進められますか。

① 配偶者(相手方)が来日したことがない場合や、来日したことがあっても日本で一緒に住んだことがない場合

場合によっては、日本で離婚手続きを進めることが可能です。

具体的には、当事者が、日本の家庭裁判所において離婚の調停手続きを進めることに合意すれば、その裁判所において調停手続きを進めることができます(これを「管轄合意」といいます。家事事件手続法3条の13第1項3号)。

ただし、調停手続きで離婚に合意ができない場合には、離婚の訴えをするしか手段がなくなります。しかし、裁判離婚では、上記のような管轄合意が認められておらず、特別な事情(下記②のような場合)がなければ、日本で離婚裁判を進めることはできません。

したがって、ご質問のケースにおいて日本でスムーズに離婚手続きを進めるためには、日本の裁判所で離婚調停の手続きを進めることに合意するだけではなく、離婚及び離婚に伴うその他の条件(親権や養育費等)についてもあらかじめ同意しておくことが必要と考えられます。

なお、相手方が帰国した場合、日本における代理人(弁護士)が必要であることや、場合によっては、本国で離婚手続きを進めた方が好ましい場合があることは、本文記載のとおりです。

② 相手方が行方不明の場合

この場合でも、日本の裁判所で離婚手続きを進められる場合があります。人事訴訟法3条の2第7号は、次のような場合でも、日本の裁判所に離婚の訴えを提起することができると規定しています。

「日本国内に住所がある身分関係の当事者の一方からの訴えであって、他の一方が行方不明であるとき、他の一方の住所がある国においてされた当該訴えに係る身分関係と同一の身分関係についての訴えに係る確定した判決が日本国で効力を有しないときその他の日本の裁判所が審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を図り、又は適正かつ迅速な審理の実現を確保することとなる特別の事情があると認められるとき。」

ただし、行方不明であることを証明することは、必ずしも容易ではありません。相手方の出入国履歴の調査はもちろん、本国住所地に相手方がいないことの証拠(郵便物が不送達により返送されたことの証明等)その他可能な限りの調査を尽くす必要があることに留意してください。

4. 離婚1-1:
私と相手方との離婚に適用されるのは、どの国の法律でしょうか。

離婚に適用される法律は、次のような基準で決められます(法の適用に関する通則法27条本文、25条)。
① 夫婦の本国法が同一であるときは、その法。
② 同一本国法がない場合、夫婦の常居所地法が同一であるときは、その法。
③ 同一本国法及び常居所地法のいずれもないときは、夫婦に最も密接に関係がある地の法。

(パターン1の場合)

あなたと相手方が同じA国籍であれば、上記①の場合に該当します。つまり、夫婦の国籍国の法律(本国法)が同じA国法ですので、あなたの離婚にはA国法が適用されます。

(パターン2の場合)

あなたがA国籍、相手方がB国籍の場合、上記①には該当しません。
次に上記②に該当するかどうかを検討します。もしあなたと相手方が日本に長らく居住し、生活の本拠地が日本と言える場合は、上記②の場合に該当し、夫婦の常居所地法は日本法となるため、あなたの離婚には日本法が適用されます。
あなた又は相手方の生活の本拠地が同じ地にない場合、上記②にも該当しません。その場合、あなたと相手方の生まれた場所や育った場所、使用言語、身分証明に本国として記載された国等を考慮して、夫婦に最も密接に関係がある地はどこかを判断します。その地が決まれば、その地の法律が適用されることになります。

5. 離婚1-2:
日本の法律では、離婚の要件(離婚事由)はどうなっていますか。離婚の種類はどのようなものがありますか。

日本法における離婚の種類や離婚事由については、<日本人夫婦の双方又は一方が海外に居住しながら離婚をする場合>、Q1Q2をご参照ください。

6. 離婚1-3:
私の場合、A国(パターン1の場合)又はA国とB国(パターン2の場合)で離婚を成立させる必要があります。この場合、日本で離婚手続きをする際に留意することはありますか。

A国等で離婚を成立させるために留意すべき点は、日本国籍の配偶者をもつ外国籍の方が日本で離婚する場合>、Q5をご参照ください。

7. 離婚1-4:
私の離婚にA国法などの日本以外の法律が適用される場合、留意すべきことは何でし ょうか。

A国法などの日本以外の法律が適用される場合、離婚の成立にはその法律で定める離婚の要件を満たさなければなりません。そのため、その国の法律の調査が必須となります。場合によっては、当該国の法律家の協力が必要になる場合もあります。
なお、国によっては、婚姻から所定期間経過後でなければ離婚できない場合(例えば、イングランド法は1年以上の婚姻が必要)、所定期間の別居期間がなければ離婚ができない場合(例えば、ニューヨーク州法では1年以上の別居が必要)等の前提条件が課される場合もあるため、留意してください。

8. 婚姻費用及び養育費:
私と相手方には、9歳と5歳の子供がいます。私たちは来月中に日本国内で別居し、私は子供達と一緒に生活する予定です。私は相手方より収入が少ないため、相手方から生活費をもらいたいと考えています。また、離婚後は子供の養育費をもらいたいと考えています。どの国の法律に従って、どのように解決されるのでしょうか。

場合を分けて検討します。

① あなたが日本に居住している場合は、日本法に基づき、相手方に対して婚姻費用婚姻中の生活費のことをいいます)や養育費を請求することができます(扶養義務の準拠法に関する法律2条1項)。詳細は、日本国籍の配偶者をもつ外国籍の方が日本で離婚する場合>、Q6Q9を参照してください。

もしあなたが日本を離れ、A国に帰国した場合はどうでしょうか(相手方は日本にいるという前提です)。仮にA国が生活の本拠地となった場合、婚姻費用や養育費の請求には、A国法が適用される可能性があります(扶養義務の準拠法に関する法律2条1項)。
この場合、A国法の扶養義務(婚姻費用及び養育費)に関する法令等を調査する必要があります。例えば、ドイツでは、養育費の決定には「デュッセルドルフ算出表(Dü sseldorfer Tabelle)」と呼ばれる算定表が用いられています。
ただし、A国法に扶養義務の規定がないような場合は、日本法により決められます(同法2条2項)。また、具体的な婚姻費用の金額等(扶養の程度)は、夫婦の資力を考慮して定めるものとされており(同法8条2項)、A国法が適用される場合でも、日本法の考え方(<日本国籍の配偶者をもつ外国籍の方が日本で離婚する場合>、Q6Q9の「標準算定方式・算定表(令和元年版)」)を参照して婚姻費用や養育費の金額等を決めることもあります。

9. 子供1-1:
私たちの子供(Q8参照)は、A国籍です。離婚後の親権者はどの国の法律に従って決められますか。面会交流についてはどうですか。

親権者の決定や面会交流などの親子間の法律関係の問題に適用される法律は、次のような基準で決められます(法の適用に関する通則法32条)。

① 子の本国法が父又は母と同一である場合は、子の本国法。
② 上記①以外の場合は、子の常居所地法。

本件の場合、子の国籍国の法律(本国法)はあなたの本国法と同じA国法ですから、親権者や面会交流については、A国法が適用されることになります。そのため、A国法の調査が必須となります。なお、多くの国では、子の問題の解決にあたっては、子の最善の利益(best interests of the child)又は子の福祉(child’s welfare)の観点から
判断・決定すべきという考え方が採用されています。

10. 子供1-2:
子供と一緒にA国に帰国したいと考えています。留意すべき点を教えてください。

<日本国籍の配偶者をもつ外国籍の方が日本で離婚する場合>、Q8をご参照ください。

11. 財産分与:
私と相手方は結婚後、日本で不動産を購入し、預貯金その他財産もあります。A国にも一部資産があります。離婚する際、これらの財産はどうなりますか。

財産分与に適用される法律(準拠法)は、離婚の準拠法によります。そのため、Q4で決定された準拠法と同じ法律に従い、財産分与も決められることになります。
日本法における財産分与の考え方等については、<日本国籍の配偶者をもつ外国籍の方が日本で離婚する場合>、Q10をご参照ください。
他方、日本法以外の国の法律が準拠法となる場合、その国の財産分与に関する法令の規定を調査する必要があります。例えば、日本では、<日本国籍の配偶者をもつ外国籍の方が日本で離婚する場合>、Q10 記載のように、対象財産を夫婦で2分の1ずつ分割することが原則ですが、国によっては、異なる考え方や計算方法を用いる場合があります。例えば、シンガポールでは、婚姻中に獲得された財産について、夫と妻の直接貢献度、間接貢献度を算定し、これに数式をかけて分与財産を計算する手法が用いられています。

12. 在留資格:
私は現在、相手方の「家族滞在」の在留資格で日本に在留しています。相手方とは別居する予定のため、これから働きに出る予定です。離婚手続き中の在留資格はどうなりますか。また、離婚後、在留資格はどうなりますか。

「家族滞在」の在留資格に該当するためには、配偶者の「扶養を受ける配偶者又は子」であることが必要であり、原則として、同居を前提として配偶者に経済的に依存している状態(配偶者の場合。この場合は、扶養者の監護養育を受けている状態)にあることをいいます。
そのため、別居して離婚を前提に経済的に独立する場合には、「家族滞在」における「扶養を受ける配偶者又は子」としての活動には該当しないため、他の在留資格(「技術・人文知識・国際業務」等)に変更することを検討する必要があります。
また、離婚後も、「家族滞在」の在留資格該当性は失われますから、他の在留資格への変更を行うことが必要です。
当事務所所属の弁護士は、離婚手続から在留資格変更・期間更新等の手続までノンストップで対応可能であり、また、英語及びベトナム語を使用するスタッフも常駐していますので、お気軽にご相談ください。

外国人労働問題・労務管理

解雇

1週間前、社長から「あなたはコミュニケーション能力が低い。他の従業員も迷惑している。明日から会社に来なくていい。」と口頭で言われました。
私は怖くなって、会社に行っていません。私は会社でもう働けませんか。

不当な解雇であれば、会社で引き続き働くことができます。

解説

会社(使用者)と労働者との間には雇用関係がありますが、一定の場合には会社から一方的に雇用関係の解消を行うこと(解雇)が認められます。しかし、正当事由がない場合は、有効な解雇とはなりません(労働契約法16条)。よって、個別の案件ごとに、正当事由が認められるのか、検討することが必要です。

なお、使用者は30日前の解雇予告を行う又は予告手当を支払うことが必要です(労働基準法20条)。解雇理由を明らかにした書面の交付も必要です(労働基準法22条)。解雇を言い渡された場合は、これらの手続がなされているかも、検討が必要です。

残業代 賃金

最近会社が忙しく、契約した内容よりも遅い時間まで働いています。残業代を払ってもらえないので、一緒に働いている従業員と一緒に社長に抗議しようと思います。
ところが、一緒に働いている従業員よりも私の基礎賃金が低いことがわかり、また「最低賃金」を下回っていることがわかりました。私が外国人だからそうなっているかもしれません。どうすればいいでしょうか。

時間外労働をした場合、使用者に対して割増した賃金を請求できます。通常の所定労働時間を超える場合は25%以上、休日労働は35%以上、深夜(午後10時から午前5時)労働は25%以上、1か月に60時間を超える場合は50%以上の割増賃金となります。

国籍によって賃金の差を設けることは、労働基準法3条に違反して認められない可能性があります。その場合、他の従業員との差額が、本来使用者が支払うべき賃金となり、その金額を請求することになります。

最低賃金を下回る賃金しか支払われていない場合、最低賃金との差額を請求することができます(最低賃金法4条)。なお、最低賃金には地域別最低賃金(都道府県ごとに設定)のほか、特定最低賃金(産業ごとに設定)が定められている場合もあります。

労働環境・労働安全衛生

私の上司は仕事熱心な人なのですが、部下にはとても厳しい人です。半年ほど前、私は大勢の従業員の前で長い時間その上司に厳しいことを言われ、それ以降体調不良が続いています。最近うつ病と診断されましたが、私はどうすればいいですか。

業務上や通勤によって負傷、障害、疾病、死亡などが発生した場合、労働災害として給付を受けることができます。給付の内容は、療養給付(病院の治療費の支給など)、休業補償給付(休業して4日目以降の給料相当額の一定割合の金額の給付)、障害補償年金・障害補償一時金など(後遺症に対する給付)などに分かれています。いわゆるパワハラのような出来事により、うつ病を含む精神にり患した場合も、労働災害として認められ、上記のような給付が受けられる可能性があります。

また、使用者に労働者の安全を配慮する義務に違反したことが認めれる場合、労働者は使用者に対して損害賠償請求を行うことができます。労災給付を受けいている場合は、労災給付として支給された金額を控除するなど調整をし、損害賠償請求をすることになります。