児童相談所にて講義…外国ルーツの家族… 

 私は外国ルーツの子の支援、といった活動をしています。その関連もあり、昨年、児童相談所にて講義を行う機会がありました。

 子どもを保護するため、公的機関により一時保護といった方法によって子と親を緊急に分離することがあります。児童相談所がその中心的な役割・重要な役割を担っているといえます。

 一方、外国ルーツの家庭の場合、文化的な違いから生じる親子間のコミュニケーションの困難さや、家庭と児童相談所をはじめとする公的機関との間のコミュニケーションの困難が背景にある可能性が否定できません。また、親子が分離された生活が長期化してしまうと、母語や母国文化の教育の機会が失われるという事態にもつながります。外国籍の親子であれば、在留資格の問題も生じます。

 近年、児童相談所が家庭に関与する事案が増加し、児童相談所にかかわる弁護士が増えている、一時保護に関して司法審査を導入する、といった流れもあるようです。今後、児童相談所が外国ルーツの家庭にかかわる場合も自然増していくと推測されますが、上記のような家庭の重要性、失われる機会の重要性に十分な考慮を行う必要があるでしょう。

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