アメリカの相続対策研修会に現地参加してきました
相続対策のことをアメリカではEstate Planning と言いますが、それを扱うアメリカの弁護士の研修会に現地参加してきました。
現時点で渡米するためには出発1日前の時点のPCR検査の陰性証明書、ワクチン接種証明書など様々な書類が要求され、そもそも出発できるのか入国できるのか、不安だらけでしたが、結局のところは飛行機会社にそれらをPDFで提供しただけであり、入国審査は以前と変わりませんでした。今回の研修会参加にもワクチン接種証明ないし陰性証明が必要とされていましたが、ここでも、その要件を満たしている旨を申し込み時に申告しただけで、会場でその証明書の提示が求められることはありませんでした。アメリカ社会では随所に「宣誓」「申告」の重大性を感じることがありますが、現物を確認しないのはそのような文化の現れなのか、それとも単にユルいだけなのか、何とも判断しかねます。
研修の内容は多岐にわたりますが、日本の弁護士会での研修との最大の違いは税制面への関心かと思います。日本では税理士と弁護士の職分が分かれていますが、アメリカで税制を無視したEstate Planningはおよそ考えられず、むしろ税理士的な視点からの検討の方が多いように思います。そのほとんどはアメリカ在住のアメリカ市民に対する税制度を前提とするものであり、私が関与する日本人の例(=非アメリカ市民であり、かついずれ日本に帰国する可能性もある)に活用できるものではありません。ただ、発想を知っておかないとアメリカの弁護士との議論が成立しないので、一生懸命勉強しています。
プロベート制度に対する評価(必ずしも避けるものではないという価値観の再評価)、デジタル資産に対する対応の必要性など、学ぶところの多い研修でしたが、それはまた別の機会に改めて。
今回の研修会の開催地はイリノイ州・シカゴからバスで3時間ほど離れたChampaignという街で、私が以前住んでいたところです。近所の方にも挨拶してきましたが、裏庭で転げまわっていた子もティーネージャーになって、時の流れを感じました。そこでの素敵な思い出が今の活動のモチベーションにもなっており、つくづく、良い時間を過ごさせて頂いたのだなぁと感謝感謝です。